虫歯でもないのに歯が溶けてしまう酸蝕歯をご存知ですか?歯に痛みがあると多くの方は虫歯を疑い受診されます。しかし、歯の痛みは必ずしも虫歯とは限らず、他に原因があることもあります。
酸蝕歯もその一つ。酸蝕歯とは、酸性(pH7.0未満)のものが歯の組織を溶かしてしまった状態です。酸が歯のエナメル質を溶かしてしまうと艶が消えてしまいます。これが進むと歯に穴が開き知覚過敏を引き起こします。さらに進み浸食が神経付近まで達すると虫歯同様の痛みを引き起こす可能性もあります。
この酸蝕歯の怖いところは、原因が細菌にあるのではなく日常生活にあるという点です。食べた後はちゃんと歯磨きをする、身体に良い食品を積極的にとるといった一見、歯に悪影響がなさそうなむしろ歯によさそうな行為が酸蝕歯を招いている可能性があるのです。
酸蝕歯の原因となるのは酸です。ピンとこない方はすっぱいものを思い浮かべてください。柑橘類などの果物、ドレッシングなどがこれに当たります。ただ、実際の食品を見てみるとすっぱさが緩和されてすっぱいイメージのない食品もあります。炭酸飲料やスポーツドリンク、ワインなどのお酒など。そして、意外と盲点となっているのが健康食品です。ビタミン剤、黒酢、クエン酸、栄養ドリンクなど。健康のため、美容のための摂取が、酸蝕歯を招いている可能性があります。
酸蝕歯の原因は飲食だけでなく、体の不調によっても引き起こされることがあります。消化液の一つ、胃酸は非常に強い酸性です。胃酸の逆流や頻繁な嘔吐があれば、お口の中は酸性の食品を摂取したのと同じ状況になっていると考えてよいでしょう。
でも、私たちの食生活を考えてみると、酸を含む食品を摂取しないのはほぼ不可能と思われます。よって、酸性の飲食物を摂取したらできるだけ早く水などで口をすすぐとよいでしょう。
やっていけないのは、酸性の食品を摂取後ただちに歯磨きをすること。歯磨きは歯によさそうですが、酸の影響で弱くなった歯をこすることは、歯をいじめているに等しい状態です。強いブラッシングは歯の表面を削ってしまう可能性があります。
虫歯やその他の歯の疾患と酸蝕歯を見分けるのは素人では難しいもの。思い当たることがある方は、日常生活を見直すとともに、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。



