
日本では基本的に病院にお金を払うときに健康保険を利用することができます。これにより、少なくとも医療費の全額を支払う必要はありません。高齢者の一部を除いて、国民のほとんどは3割負担になります。つまり医療費が1万円だった場合でも、3000円しか払わなくてよく残りの7000円は公費から支払われる仕組みです。
これにより、医療負担がずいぶんと軽くなるのは間違いないことでしょう。歯科治療に関しても同様のことが言えますが、必ずしもすべての治療に保険が適用されるわけではありません。いわゆる保険診療と呼ばれるものと保険外診療と呼ばれるものの2種類があります。
まず、虫歯の治療でも、銀の詰め物を詰める場合は保険はかかりませんが、実は保険が適用されない例もあることを理解しておきましょう。そのうちの1つが、オールセラミックにする場合です。オールセラミックは、通常の詰め物に比べて非常に硬いのが特徴です。正しく使用すれば割れることはなく長持ちし、しかも見た目がきれいなのが特徴と言えるでしょう。
硬いにもかかわらず、まるで歯と同じような色をしています。ちなみに価格は、1本あたり100,000円前後することがあります。保険診療の治療よりも機能的で性能がよいですが、すべて自己負担になります(医療費控除を適用すればまた違ってきます)。
次に虫歯の場合でも、ゴールドを利用する場合も同様に保険が適用されません。1本あたりの価格はセラミックとそれほど変わりませんが、ゴールドの価格は随時変わるので、いわゆる「時価」的な扱いになることもあります。
虫歯治療以外で見ていくと、一般的に歯科矯正をする場合も同様に保険が適用されないと考えたほうがいいです。なぜ歯科矯正で保険が適用されず虫歯で適用されるかと言えば、極端に言うと、虫歯は治療しなければ命に関わる可能性があるからです。命に関わらないまでも、生活に支障をきたす可能性が高くなります。
つまり、風邪をひいた場合病院に行くことや怪我をした場合に病院に行く時と同じような状態です(しかし一部例外があり、歯科矯正をしなければいけない状態に陥った場合には例外的に保険が適用され保険診療となることがあります)。
これに対して歯科矯正は、どちらかと言えば(これも極端な言い方ですが)見た目を良くするためとして扱われるので公費負担には適用されません。矯正歯科は見た目以外にもむし歯になりにくくなったり、かみ合わせがよくなったり、他にもよい効果があるので、見た目以外の効能について理解が進めばいいなと思っています。