太田市の歯医者 くろさわ歯科は痛みと怖さをできるだけ減らす診療を目指します。

【患者様へ】電話がつながりにくいときは、時間をずらしておかけ直しいただけますようお願いいたします。

人は1年に何回くらい噛んでいるの? 1本の歯にかかる力は?

歯の雑学の中には、覚えておくと後で役立つものもあります。現在の日本人は、1回の食事で620回噛みます。1日3回食事をすると、1860回噛むことになります。1年に67万回以上噛んでいるわけで、歯にはそれだけ負担がかかっています。

1回の食事で噛む回数は、戦後と戦前で大きな違いがあります。戦前の食事では1420回も噛んでいます。戦後になって日本人の食事メニューは洋食が多くなります。よく噛まなくても食べられる食事が多くなったことで、噛む回数が大幅に減ります。

食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうと、肥満の原因になります。脳が満腹感を感じるまでに食べてしまうので、早食いの人は注意が必要です。

食べ物をよく噛むと、唾液の分泌量が増えます。人間の口腔内は食事をすると酸性になります。唾液が多いと酸性が中性に戻り自浄作用が働きます。唾液の中には歯の表面を修復する成分が含まれるので、よく噛んで食べれば歯周病や虫歯、口臭を防ぎます。

大人の歯が生え始める6歳くらいから顎の骨が徐々に大きくなります。よく噛まずに柔らかいものばかり食べていると、顎の発達にも影響が出ます。歯の生え変わりの時期に永久歯のスペースが足りなくなると、歯並びが悪くなります。

歯並びが悪くなると、よく噛むことができないので健康にも影響が出ます。後から歯並びをよくする治療を行うと多額の費用がかかるので、よく噛むことは重要です。噛む行為は脳にも影響します。よく噛むことで脳の働きが良くなることは広く知られています。

日本では高齢者の痴呆が社会問題になっていますが、よく噛むと痴呆を防ぎます。よく噛むと内装脂肪の分解も促すので、ダイエット効果が期待できます。噛む力のコントロールも大切です。

人間の噛む力は体重と同じくらいなので、体重が50キロの男性であれば噛む力も大体50キロになります。食事の際には噛める力の約2割から3割の力で噛んでいます。スポーツの試合などで歯を噛みしめたときには、大きな力がかかります。健康な成人男性を対象にした研究では、最大で100キロという値が計測されています。

歯とスポーツは密接な関係があるので、トップクラスのスポーツ選手は技術を磨くだけでなく歯も徹底的にケアします。歯が正しく噛みあっていないと瞬発力を出せなくなります。歯軋りをしたときでも、体重の約2倍の力がかかります。歯をかみ締めたときや歯軋りをしたときに、最もダメージを受けるのが奥歯です。

寝ている間に歯軋りをする人がいますが、無意識のうちに歯にダメージを与えています。歯軋りは歯を失う原因にもなります。歯を長く健康に保つには、適切な噛み合わせのコントロールが重要です。食事のときに歯にかかる力は大きくないですが、食べ方によって顎や筋肉に負担がかかることがあります。

歯を噛むという行為は奥が深いです。

食事をするときもスポーツをするときも、歯の健康を考えて行動することで丈夫な歯を長持ちさせることができます。お口と歯の健康維持・メンテナンスのためにも定期検診をオススメします。